『雨宿り』

雨宿り 遠くを見つめてる
しわくちゃのボートに乗りながら

セメントでかためた街を出て
やわらかい羽根で飛んでくはずだったんだ
だから

つぶれなくて見た目のよい丸を選んだんだ
進まなくて違うかけらを僕は探すか

苛立ちはまぶたにかすみ出て
おおげさに踊り始める始末
ダバダ ダバダ

つぶれなくて感触のよいかごを探す僕は
とめどなく流れる黒い雨探すの

海と海が砂浜を
海と海がつないだ

そして今 手のうちをあかそう もう そっと
傘の取っ手の意味を問いただすみたいに

意味はなくて ただ ただ
雨宿りたい
雨宿りたい
雨宿りたいだけだ