kazuさん / The Snowman Communique - 2010.02.19 update -

名作といわれる小説を読んで首をかしげてしまうことは結構あるけれど、
名作といわれる曲を聴いて首をかしげることは少ないと思う。

「言葉」というものは常に「思考」と相互に繋がり合っているものだから、
小説などは自分の思考の凹凸にハマる文章でないと、
その面白さはなかなか理解できないのかもしれない。

もちろん音楽にも言葉としての「詩」があるけれど、
たとえ詩が理解できなくてもメロディーが感情を繋ぐこともあるし、
詩とメロディーの両方が組み合わさることで、更に強いメッセージを聞く側に与えることもある。
これが生演奏ともなると尚更で肉声や楽器がもたらす空気の震えは、
ときに薄っぺらな思考など易々と突き破りダイレクトに僕の胸を打つ。

もしも音楽を一つのコミュニケーションとして捉えるならば、
彼らSongbirdの放つ楽曲、つまりメッセージには決して派手さはないけれど、
でもだからこその「素朴な揺るぎの無さ」があると僕は思う。
Shizuさんの歌声は(およそ福山雅治に魂を売り渡してしまったとは思えない程)どこまでも甘く、
ハマダさんが奏でる淀みのない流麗なギターの音色は、
きっと毎日取り組んでおられるという骨盤ダイエットの賜物であるに違いない。

もしもこれを読んでいるあなたが、
「まだSongbirdを一度も聴いたことがない」
と言うのであれば、ぜひ一度彼らの奏でる音楽に耳を傾けて頂きたいと思う。
そうして彼らからのメッセージを受け取って欲しいと思うのです。
彼らの音楽を聴きながら目を閉じると、
浮かび上がるのは日曜の午後の陽だまりであり、
優しく雪の降り積もる冬の夜の静けさであり、
きっとあなたが大切に思い出す懐かしい日々の光景であるはずです。

そんなイメージを僕らに見せてくれるSongbirdの音楽はまさに「夢のめがね」であり、
また彼ら自身を何処までも運んでゆく「夢の自転車」なのではないでしょうか。
(こんな感じでいいですかハマダさん

kazu
1974年、新潟県生まれ。日曜フォトグラファー 兼 エセ音楽評論家。 
「The Snowman Communique」http://snowman.petit.cc/